腸の健康に欠かせない短鎖脂肪酸

腸の健康のカギになるのが短鎖脂肪酸です。
本記事では短鎖脂肪酸に関連する情報をお届けします。

【腸内で短鎖脂肪酸を増やすには】

短鎖脂肪酸とは、水溶性食物繊維やオリゴ糖などがヒトの腸内細菌により発酵分解されて生じる酸性の物質です。短鎖脂肪酸は、腸内を弱酸性にして善玉菌が住みやすい環境にしたり、大腸の蠕動運動を促したりしています。その他にも、水やミネラルの吸収を助ける働きや、大腸上皮細胞を増殖させる働きなどがあり、腸の健康にとっては欠かせないものです。
短鎖脂肪酸は有用性が高い一方で、その臭いや味、吸収性などから直接摂取することが難しい物質です。そのため、ヒトが水溶性食物繊維など腸内細菌のエサとなる物質を摂取し、腸内細菌に短鎖脂肪酸を作らせることは有効な手段です。

【短鎖脂肪酸の中でも注目の酪酸】

短鎖脂肪酸には、酢酸やプロピオン酸、酪酸などがあります。その中でも「酪酸」は、他の短鎖脂肪酸に比べて重要な機能を持っています。食物繊維の中でもグアー豆食物繊維は腸内細菌に発酵分解されやすく、より多く酪酸を産生するため高機能な食物繊維であるといえます。

【グアー豆食物繊維の摂取と酪酸産生の関係】

「水溶性食物繊維」として国内で利用されている主な食物繊維を比較すると、グアー豆食物繊維は酪酸を産生する量が最も多いことが分かっています。グアー豆食物繊維の酪酸産生能が高い理由には色々な説がありますが、グアー豆食物繊維が腸内発酵によってほぼ100%分解されることで酪酸の産生量も多くなるからと考えられています。これがグアー豆食物繊維の豊富な健康エビデンスにつながると考えられています。

(2023年11月 作成)