グアー豆食物繊維は、グアーガム分解物とも呼ばれ、様々な食品に食物繊維や物性改質剤として使用されてきました。また、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の関与成分としての実績も豊富です。英語表記(Partially Hydrolyzed Guar Gum)の頭文字をとって「PHGG」とも呼ばれています。本記事では、グアー豆食物繊維の製造方法や構造をご紹介いたします。
【グァー豆とは】
グアー豆食物繊維の原料はグァー豆です。インド・パキスタン地方で古くから栽培され、少ない水でも育ち、乾いた土地でも豊かな実りをもたらす豆科植物として知られています。ベジタリアンの多いインドでは、古くから貴重な栄養源の野菜として食べられています。
【グアー豆食物繊維の製造方法】
グァー豆の胚乳部分を精製して「グァーガム」とし、さらに酵素処理で粘度を低下させたものが「グアーガム分解物(グアー豆食物繊維)」です。グァーガムは分子量が大きく、水に溶かすと非常に高い粘度で扱いにくい物性ですが、酵素分解により分子量を小さくしているため、低粘度で水にも溶けやすいという特徴があります。
【グアー豆食物繊維の分子構造】
直鎖状に結合したD-マンノース2分子にD-ガラクトース1分子の側鎖をもつ高分子多糖類です。
(2023年11月 作成)